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熱の種類

8月に、子供(その時9か月)が2回発熱をしまして、1回目と2回目の熱の出方が違ったので、改めて熱の種類をまとめてみました。
ちなみに、熱と寒気はひとくくりで「寒熱」と称し、問診の際、一緒に確認するので併せてまとめています。

「発熱・悪寒・悪風」とは

発熱
体温の上昇、または自覚的な熱感

悪寒(おかん)
強い寒気があって厚着をしたり火に近づいても寒気が取れないこと

悪風(おふう)
軽度の寒気があり肌を露出したり風に当たると増強する

▶POINT
体温計で熱がなくても、患者さんが熱があると感じていたら「発熱」と捉えるところは東洋医学ならではであり、問診時に見逃せない訴えです

悪寒発熱

悪寒発熱とは悪寒と発熱が同時にみられること

寒邪偏盛
悪寒が強く発熱が軽い外感風寒の表寒表実

風邪偏盛
悪風・発熱は外感風寒の表寒表虚

微悪風寒
発熱が強く悪寒が軽いのは外感風寒の表熱

発熱(の種類)

発熱のみで悪寒がないものは一般に裏熱証
※本題ここから

1.壮熱

高熱が続くこと

2.潮熱

潮が満ちるように毎日一定時刻に生じる熱

  •  陽明潮熱≒日哺潮熱
    熱がかなり高くて午後3~4時頃(日哺)にさらに高熱になる
    腹満(押さえると疼痛はいっそう悪化する)・便秘・手足出汗・舌質紅・舌苔黄燥などを伴い、ひどい場合には舌に芒刺が出現する
    陽明腑実※1が原因
  • 湿温潮熱
    熱感を自覚するが皮膚に触れても熱くなく(心熱不揚)、午後に熱感が強くなり頭や身体が重怠く、胸脘満悶・悪心・食欲減退・泥状便などを伴いやすく、湿熱の邪によって発生する
  • 陰虚潮熱≒骨蒸潮熱
    午後あるいは夜間に発熱し、手のひら・足のうら・胸中の熱感(五身煩熱)があって、骨の髄から熱が透発してくるように感じ(骨蒸潮熱)、頬部の紅潮・入睡後の発熱(盗汗)・口や喉の乾燥・舌質紅で少津などを伴いやすい
    陰液不足・虚熱内生により起こるものが多い

※1陽明腑実
陽明熱結ともいう。邪熱が熾盛で化燥するとともに胃腸の糟粕と結びついて燥屎(そうし=乾燥し硬化した大便)を形成し。定積するために、燥屎が腑気を阻滞し邪熱が心神を上擾(じょうじょう)する状態

往来寒熱

悪寒と発熱・熱感が交互に生じること
悪寒の時は熱感がなく、悪寒がなくなると熱感が生じ熱も高くなる
半表半裏症※2の特徴

  • 少陽病
    1日のうちに不定期に往来寒熱があり、口が苦い・喉の乾燥感・目がくらむ・胸脇部が張って苦しい、などを伴う
  • 瘧疾(ぎゃくしつ)
    発作が1日1回あるいは2~3日に1回と定期的に反復し、激しい頭痛・口渇・多汗などを伴う

悪寒のみ

悪寒の実で発熱が見られないのは、裏寒症

  • 寒邪直中(かんじゃじきちゅう)
    急性の悪寒で、腹痛・冷えを伴う、裏実寒
  • 畏寒(いかん)
    慢性に反復する寒気で、厚着したり暖めると緩解する
    陽虚による虚寒の特徴で、四肢の冷え・元気がない

問診の際は
寒熱が同時にあるのか・一方が単独で出現しているのか
寒熱の特徴・軽重・出現する時間・持続時間・兼症などを問う

8月の子どもの熱振り返り

子供の場合、まだ話すことができないので、悪寒や悪風があるのかは聞くことができません。熱の出方は病邪侵入の深さを推測する手がかりになります。

1回目の熱は、ヘルパンギーナで、発熱は2日続きました。その後解熱時に手のひらや足のうらにうっすら発疹が出、喉が痛いのか、口から食事を一切受け付けないのが3日ほど続きました。熱がでる前の夜の睡眠時、鳥肌が出ていたので、おそらく外感風寒による悪寒発熱ではありますが、その後下痢が2日ほど続いた、邪が陽明経絡に侵入したと考えられます。
私の後悔としては、急いで飲み物を飲ませようと風寒邪がお腹にまだいるのに、冷蔵庫から冷たいものをだしてすぐあげてしまったこと。ただここが難しくて、口の中が痛いので熱いものは嫌がるしおそらく痛みが増すようです。冷たい物はスッとして喉に入っていく。なので、必死にお腹に手を当て温めていました。
足三里(すねのあたり)や中脘を手で温めるのは、良い手当となりそうです。

2回目の熱は、アデノウィルス(プール熱)で、土曜の夜中に急に発熱後、熱は水曜日まで続きました。発熱期間は5日とされおり、日中37度~38度前半まで熱が下がるので油断していたら本当に5日間、夜に39度の高熱になり、まさに陰虚潮熱でした。ただ、手足が熱い時と、冷えてる時があり、往来寒熱もあったかもしれません。食欲もなく、便秘気味でどんどん痩せていきとても心配でした。当たり前だけど、胃に物を入れすぎるとすぐ嘔吐するので、少しづつ少しづつ食べれるもの、飲めるものをあげひたすら、ウイルスとの闘いの日々。熱の出方から、ベースに虚証があり、陰液が不足しているので、水分補給をこまめに、とにかく寝かす。抱っこでもなんでもなるべく刺激要素をなくし、ひたすら寝てもらい、布団に降ろせたら親も一緒に寝る。睡眠が一番の回復術です。
咳・鼻水などもないので、参蘇飲を試してみたかったのですが、手元になく、麦味参と勝湿顆粒を3:2でやってみようと思いましたが、結局躊躇してしまいましたので、次回は漢方も試してみたいなと思っております。

発熱のパターンだけではもちろん弁証は難しいですが、病邪の傾向は多少推測できます。多少ですが、なにをしたらいいのか?の手助けになります。

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