東洋医学で見る「妊娠力アップの秘訣」
妊娠しやすい体質をつくるには、東洋医学の視点が役立ちます。本記事では、腎精・気血・ストレス対策・生活習慣について解説し、鍼灸や漢方のサポート方法を紹介します。(実際には東洋医学の中の、中医学が当院の考え方のベースとなりますが、わかりやすく、東洋医学と表記します)
妊娠しやすい体とは?
私たちは「精」という生命のエネルギーを受け継いで生まれます。西洋医学では、卵子と精子の受精によって新しい命が誕生すると考えますが、東洋医学では「腎」が生殖機能を司り、その働きが妊娠に大きく関わるとされています。
腎に蓄えられた生命の源は「腎精」と呼ばれ、成長や生殖に不可欠であり、妊娠には十分な腎精が必要です。同時に、食事や呼吸によって得られる「気血」が脾の働きによって全身に巡ることで、子宮の環境を整え、胎児の成長を支えます。
東洋医学の考え方
- 腎精:生殖機能の根本となるエネルギー。加齢やストレスで減少するため、食事や養生で補うことが大切。
- 気血:体を構成する基本的な要素で、体内のエネルギーと栄養素の源。気血が滞ると子宮環境が悪化したり、妊娠しにくくなる。
- 妊娠しやすい体:腎精が男女ともに充実し、気血が十分に巡っている状態。
以下の症状がある場合、妊娠しにくい可能性があります。
- 冷えや浮腫み
- 生理痛や周期の乱れ
- 慢性的な肩こり、頭痛、腰痛
- 抜け毛や白髪の増加、耳鳴りや難聴
腎精と気血は互いに補い合う関係にあり、食事や生活習慣によって改善が可能です。

妊娠力アップのポイント
1. 腎精を養う「黒い食材」
黒豆、黒米、黒ゴマ、黒きくらげ、ブルーベリー、レーズン、黒ニンニク、わかめ、昆布、海苔、ひじき、黒酢、黒砂糖など。
2. 気血を養う「赤と白の食材」
- 赤い食材(血を養う):枸杞、なつめ、イチジク、りんご、いちご、ザクロ、人参、トマト、ビーツ、まぐろ、カツオ、アジ、イワシ、さば、赤み肉。
- 白い食材(気を養う):米、小麦、豆腐、豆乳、牛乳、ヨーグルト、イモ類(じゃがいも、里芋、長芋、山芋、さつまいも)、きのこ類(しめじ、えのき、しいたけ、白きくらげ、まいたけ)、大根、かぶ、白菜、長ネギ、ゆり根、梨、白身魚、白ごま。
3. ストレス対策
ストレスはホルモンバランスを崩し、血流を悪くし、胃腸の働きを阻害します。
ストレス解消法
- 受け流す:ストレスを受けたときの自分の捉え方を見直す。 思い通りにできなかったこと、なぜ落ち込んだのかを一旦ノートに書いて てみると、次の改善策を考えだし、気持ちが立て直されたりします。
- 発散する:心や体が行き詰まると、思考や活動が停滞する「気滞」という状態になりま す。運動や環境の変化、深呼吸を取り入れると次第に気が巡っていきます。
ストレス解消のツボ
- 太衝(たいしょう):足の甲、親指と人差し指の間。
- 百会(ひゃくえ):頭頂部。
- 期門(きもん):みぞおち沿い、第6・第7肋間の間。
4. 生活習慣の改善
睡眠
- 17~19時に夕食を済ませる。(女性ホルモンを作る「腎」を養う)。
- 23時までには寝る(女性ホルモンに関わる「肝・胆」を養う)。
- 夜勤の方は朝陽を浴びる習慣をつける。
入浴
- 副交感神経を優位にし、子宮・卵巣の血流を促進。
- 天然塩を入れることでミネラル補給。
- 入浴後30分以内に就寝すると睡眠の質が向上。
鍼灸・漢方で妊娠しやすい体づくり
生活習慣の改善が難しい方は、鍼灸や漢方の力を借りるのもおすすめです。当院では妊活鍼灸と個々の体質に合わせた漢方で、妊娠しやすい体質づくりをサポートします。
体質は必ず変えられます。一緒に妊娠しやすい体を目指しましょう!