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症例【妊活】36歳AIH4回→IVF1回、妊娠~出産

36歳女性/既婚/会社員

主訴

1人目妊娠希望

詳細情報
初診時34歳。そろそろ妊娠を考えているが、夫とは5年「なかよし」をしていないし、する気がない。さらに夫に妊活の話を切り出せず悩んでいる中、自分の身体は調えておきたいと当院にいらっしゃった。今後は人工授精にて妊活を考えている。
お酒が大好きで、飲み会は月に10回程、飲みだすと止まらず終電になることが多い。家では焼酎ロック2杯を必ず晩酌。
気になる自覚症状は特になし。

月経:生理痛(+)は10代のころから重い(本人は不調と捉えていない)1~2日目、
   黒い血塊あり、
二便:毎朝快便、大量飲酒後は夜間尿あり
睡眠:5~7時間/日
随伴症状:日焼けによる皮膚炎(耳下腺~側頚部)→飲酒後赤みが増す
その他:20代前半から白髪がある
所見:声に力がない、背部・頭部の筋緊張強い、

弁証

腎気不足、それに伴う子宮内の瘀血
「腎の華は髪にある」ように、抜け毛や白髪は腎と密接に関係する。20代前半から白髪があり、血虚所見がないことから腎のエネルギー不足と判断。また、10代からの生理痛は、(腎)気の不足により、生理が開始されてからもなかなか血が推動されず停滞していることで起きている。
また、皮疹に関しては、アルコールそのものの熱、さらには飲酒に伴う睡眠の不足によりが熱が化火し、腎の竅である耳周辺に皮疹が発生した。

論治

補腎活血

当院での治療
月2回の鍼灸マッサージ施術(60分)
鍼がとても苦手なため、オイルマッサージをメインに、2~4本程度鍼を打つ

※その他クリニック推奨の葉酸サプリをネット購入して服用

来歴

16年?月 ブライダルチェックで「子宮後屈」と言われる
22年2月 MIUHARI来院

22.8  不妊治療のためクリニックに通院開始
22.11  検査は異常なし、人工授精からスタート
22.11-23.3 人工受精×4→反応なし

22.4 MIUHARIでの治療終了
23.4-6 治療等全てお休み
23.7 体外受精のためクリニック通院再開
 8/8 採卵→13個・受精卵(7個)凍結
 9/6 冷凍胚(胚盤胞・グレード報告なし)1つ目を戻す(自然周期法)
 10/3 心拍確認
23.1 「前置胎盤」かつ「辺縁付着」と診断され、産院から大学病院に転院(20週)
24.3/29 切迫早産の疑いで入院(31週)、3週間後退院
 6/2 膣分娩にて2751g女子出産、その後の経過も順調

(ご本人からも情報をいただき開示の許可を得ています)

ご本人の感想

お酒はずっと飲んでいましたが、不妊治療を始めてから、院長のアドバイスもあり、飲み会の頻度を(これでも)を抑えました。また、二次会には行かない、電車の時間をちゃんと考えて終電で帰らない、少しでも気の乗らない飲み会には行かないなどルールを決めていました。
妊活お休み期間は、部署異動したこともあって、その3ヶ月で体外受精に備えて新しいメンバーと関係を構築し、会社にもオープンにして協力を依頼してたことで、ストレス無く休めました。
あと院長の言うとおり睡眠大事にして習慣にしました。なんやかんやありましたが、鍼のおかげで産後も含めて結果オーライだったと思ってます。

評価

当院には、婦人科クリニック来院前~人工授精4回目終了時点までの1年2か月間の治療となりました。
治療回数に伴って、身体が疲れる感覚が分かるようなり➡睡眠時間をしかり確保をするようになった➡交感神経と副交感神経の切り替えができるようになり身体がちゃんとリラックスできるようになった➡腎気を養うことに繋がったと考えられます。また、(月によりますが)生理痛の痛みが柔らいだそうで、子宮内の血流循環が改善されたと推測できます。
IVF開始時には、仕事とクリニックで忙しく通院が困難となりましたが、それまでの鍼治療により体質が改善され、本人の生活習慣の改善の努力により、治療効果が維持され、その後の結果に繋がりました。
この方は、心拍確認まで、大好きなお酒は飲み続けていたレアケースではありますが、ゴールの見えにくい妊活で、我慢する「ストレス」とお酒による「リラックス感」を天秤にかけたときにご自身らしい判断ができたといえます。また、お酒への線引き(量や頻度、寝る時間)をしっかり決めていたことが心身に良い影響をもたらしたようです。
出産、本当におめでとうございます!母子ともに健やかに日々をお過ごしください!

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