この記事で学べること
- 「血(けつ)」とは何か?
- 血と女性のライフステージの関係
- 妊活における血の重要性
- 血を豊かにする生活習慣・食材・漢方・ツボ
血(けつ)は女性の豊かさの象徴

思春期のからだの発達、
エネルギッシュでみずみずしい若さ、
バリバリ働く頭と体、
妊娠・出産・子育て、
穏やかなプレ更年期・更年期、
白髪や潤い不足の予防、
老年期の活力…。
こういったさまざまな女性の変化のなかで、
健やかさを保つために欠かせないもの。
それが「血(けつ)」の豊かさです。
女性のライフステージすべてに、血は深く関わっています。
血液と血(けつ)は違う?
「血液」は西洋医学の言葉、
「血(けつ)」は東洋医学の言葉です。
同じ字を使っていますが、意味や考え方は異なります。
西洋医学における「血液」
- 酸素や栄養を組織・器官に運ぶ
- 出血時に止血する
- 免疫機能を担う
主に物質的な働きに注目しています。
東洋医学における「血(けつ)」
- 「気」と「水(津液)」が合わさった液体
- 心(しん)で赤く染まり、全身を栄養・潤す
- こころを滋養し、精神を明朗かつ安定させる
物質としてだけでなく、
目に見えない部分にも作用し、生命活動を支えるものと考えます。
血の余りが美しさや精力の秘訣
東洋医学では、「血余(けつよ)」という考え方があります。
血が十分にあると、次のような部分が充実します。
- 目
- 髪
- 肌
- 爪
- 睡眠
- 母乳
- 筋力
- イライラや精神的な不安定さ(ヒステリー・うつなど)
血の余裕が、美しさや心身の充実に直結するのです。
妊活に最重要!血(けつ)
妊娠・出産は、血が豊かにあってこそ可能となります。
あなた自身のからだ、そして
もうひとつの命を育むために――
血の存在は欠かせません。
ところが、血は生きるために
脳や目、心臓や肝臓などの重要な臓器へ優先的に使われます。
子宮・卵巣など、生殖に関わる臓器は優先順位が低い
ため、血が不足していると栄養が届きにくくなるのです。
現代女性は、
- 目と脳を酷使し
- 長時間座ったまま仕事をする
という生活スタイルが主流。
結果、血が上に昇り、下(子宮・卵巣)への巡りが悪くなっています。
だからこそ、妊活中の女性に必要なのは、
- 血を無駄に消耗させないこと
- 血を補うこと
- 血を巡らせること
この3つを意識することが非常に大切です。
①生活の見直し、②栄養と正しい運動で
ある程度は改善できますが、
タイムリミットが迫っている方は、
漢方と鍼灸を取り入れることを強くおすすめします。
血が不足する原因
血を消耗する要因には、次のようなものがあります。
- 食事からの栄養不足
(特に、添加物や有害な油・糖類の過剰摂取を控える) - 過労
- ストレス
- 睡眠不足・夜更かし
- 目の使いすぎ
- 過度の運動・筋トレ
- 過度なダイエット
- 生理・出産・授乳による消耗
先ほどもお話した通り、
日常生活で血を無駄に消耗しないことが妊活には非常に大切。
まずはできるところから少しずつ、生活を見直していきましょう。
血を豊かにする食材・漢方・ツボ
薬膳食材
血を養う食材を普段の食事に取り入れましょう。
- ほうれん草・にんじん・黒きくらげ
- 黒大豆・黒ゴマ
- 牛肉・豚肉・卵
- 鮭・ブリ・カツオ・マグロ・イカ・牡蠣・うなぎ・穴子
- ひじき・桃
「色の濃い食材」や「赤身のお肉・魚介類」がおすすめです。
漢方生薬
血を補い、巡らせる代表的な漢方生薬はこちら。
- 地黄(じおう)
- 芍薬(しゃくやく)
- 当帰(とうき)
- 阿膠(あきょう)
- 酸棗仁(さんそうにん)
- 竜眼肉(りゅうがんにく)
- 小麦(しょうばく)
体質に合わせて適切なものを選びましょう。
経絡ツボ
ツボケアも血の巡りを助けてくれます。
- 三陰交
- 血海
- 膈兪
- 肝兪
- 脾兪
- 太衝
- 足三里
日々のセルフケアや鍼灸治療で活用するのがおすすめです。
まとめ:血を豊かにして妊娠力を高めよう
血は、女性にとって美しさと健やかさ、
そして命を育む力そのものです。
妊活中のあなたにとって、
血を充実させることは何よりの土台作り。
「血を無駄にしない、補う、巡らせる」
この3つを意識しながら、
今日からできることを少しずつ始めていきましょう。
あなたの未来に、温かな命が宿りますように。