月経不順、月経痛、閉経前後、妊娠中や産後の不調に用いる、婦人科の良薬とされる
当帰とは
補益薬
当帰・トウキ・全当帰・西当帰・当帰身・当帰髭・酒当帰・土炒当帰・ともいう
日本では、奈良の大和当帰、広く栽培される北海当帰があり、主に流通されているのは北海当帰。中国では唐当帰が代表的。
【性味】甘・辛・苦、温
【帰経】心・肝・脾
【効能】
①補血調経
代表方剤:四物湯、当帰芍薬散、婦宝当帰膠(婦人宝)
十全大補湯、帰脾湯、人参栄養湯
②活血行気・止痛
代表方剤:血府逐瘀湯
③潤腸通便
代表方剤:潤腸湯
【その他】
甘補・辛散・苦泄・温通し
辛香善走するので「血中の気薬」ともいわれる
つまり、血を補い巡らせ、気を推動し痛みを和らげる。
心は血を司り
肝は血を蔵し
脾は統血する
ことから血病の要品であり
血虚血滞を問わず主薬として用いられる。
補血には、当帰身(帰身)
活血には、当帰尾(当帰髭・帰尾)
和血には、全当帰(当帰・西当帰)
さらに
補血には、土炒当帰(辛味を取った当帰)
潤腸には、生当帰
通経活血には、酒当帰(酒で炒った当帰)
を用いると良い。
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参考文献
中医臨床のための「中薬学」